今年お迎えした、ハイスペとアナログの相棒たち その3:『ちいさいおうち』との再会

今年お迎えした、ハイスペとアナログの相棒たち その3:『ちいさいおうち』との再会

February 06, 2026

手帳を迎え、ペンを揃え、今年は「書く」ことへの小さな挑戦を始めました。
その流れの中で、幼い頃の記憶に深く残る絵本が、どうしても手元に欲しくなりました。

『ちいさいおうち』。

幼い頃、姉が大好きだった絵本で、私の記憶では、
くすんだミントグリーンの表紙に、マットな質感でした。

けれど、今手に入るものは、鮮やかなブルーで光沢のある表紙。
記憶違いかな、と思い調べてみたところ、やはり後にデザインが変更されていたことがわかりました。

どうしても、あの頃の自分が覚えていた「ちいさいおうち」が欲しくて、
初版本までは無理でも、その雰囲気をまとったものを探すことにしました。

探して、探して、見つけたのはたった一冊。
フリマサイトに出ていたもので、価格も当時のまま──320円。

迷う間もなく迎え入れ、今日、手元に届きました。

包みを開けた瞬間に感じたのは、記憶そのままの佇まい。
縦書きの、初版に近い仕様。
少しアンティークがかった色味も、今となっては愛おしく感じられます。

状態も良く、長年大切に本棚にしまわれていたのだろうな、と想像してしまいました。

その証拠に、ページをめくると
ペリペリペリ、という、買ったばかりの本を開くときの、あの小さな音。

随分と開かれることなく眠っていたのだな、と。

そして立ち上る、古い本の匂い。
嫌いではなく、むしろ好きな匂いです。

映画『スター・ウォーズ』のワンシーンのモデルになったとも言われる、
アイルランドのトリニティ・カレッジ図書館を訪れたときにも、
同じ匂いを感じたことを思い出しました。

世界で最も美しい図書館、と称されていて、圧倒的なパワーを放つ。

あの場所も、ずっとそこにいたいと思うほど好きでした。

よく香りは記憶に残る、と言いますが、まさに今回は本の匂いが、

知らず知らずのうちにわたしの記憶のかけらとして残っていたようです。


岩波書店のサイトを見ると、この絵本も少しずつ姿を変えてきたことがわかります。

  • 1954年の初版は縦組み

  • 1981年に横組みに改版し、右開きから左開きへ

  • 2021年第76刷改版では、色味を原書に合わせて調整し、表紙も原書準拠に

わたしの手元に届いたものは、まるで時間を巻き戻したかのように、あの頃の世界をそのまま残してくれています。
まさにあのおうちが時を超えて、わたしのところに引っ越してきた、そんな感覚です。

 

読み返すたび、子どもの頃の記憶と、今の自分が不思議に重なります。
本というものは、ただの紙と印刷ではなく、時間と記憶を運んでくれるものなのだな、と改めて思いました。

 

デジタルの昨今には貴重。

ふわっとした感覚で五年手帳を書き始め、
一年手帳も加わった日々の中で、幼い頃の記憶にあった『ちいさいおうち』に再会しました。

子どもの頃のわたしが全く1ミリも想像していなかっただろう、この本が何十年も経った今、手元にあり、
隣には金属の塊(スマホ)が文鎮の如く鎮座する不思議な光景。

それでも、ページをめくるたび、静かに時間が重なり、
手帳も本も、私にそっと寄り添ってくれているように感じます。


〈おまけ〉

1952年に制作された、ディズニーによる短編アニメーション『The Little House』。
絵本『ちいさいおうち』の世界観がディズニーっぽくなったバージョンも。

コチラから見てみてください。

 

 

 

文:quatre-quarts ballet studio 講師の「わたし」