
9月9日に生まれた、Maison de 9uatreの「9つのカトルール」。
ここでは、そのカードを一枚ずつ引くように、そこに選んだアイテムと、その奥にある物語を少しずつ辿っていきます。
最初の一枚は、
I|見えていないものを、想像する。

選んだのは、Just A Corpseの
PRE RAPHAELITES – stringed back leotard - strawberry thief。
Strawberry Thief — 苺泥棒
一見すると、複雑に植物や鳥が絡み合う、美しい模様。
けれど、この柄にはちゃんと名前があります。
Strawberry Thief。
日本語にすれば、「苺泥棒」。
William Morrisが1883年にデザインしたこのテキスタイルは、英国オックスフォードシャーにある彼の田園の家、Kelmscott Manorのキッチンガーデンで、苺をついばんでいたツグミたちから着想を得たとされています。
V&Aによれば、この柄には複雑なインディゴ抜染の技法が使われ、Morris & Co.の中でも成功したテキスタイルのひとつになりました。
なんとも愛しい名前だと思いませんか。
庭へやってきて、せっせと苺をついばむ小さな鳥たち。
人間から見れば「泥棒」なのだけれど、そんな出来事を、怒るでも追い払うでもなく、一枚の美しいデザインへ変えてしまう。
そこには、目の前のものをただ「見る」のとは少し違う眼差しがあるように思います。
同じ柄でも、同じ景色ではない
そして、そのStrawberry ThiefをJust A Corpseがまとわせたのが、このレオタード。
原典の鮮やかな装飾性をそのまま強く押し出すのではなく、少しくすんだ色の中へ溶け込ませることで、鳥も苺も、よく見なければすぐには気づかないほど静かな存在になっています。

だからこそ、この一着を最初のカトルールに選びました。
『見えていないものを、想像する。』
写真に写っているものだけを見るのではなく、
この柄はどこから来たのだろう。
この鳥は何をしているのだろう。
なぜこの色なのだろう。
作り手は、何を見てこの一着へ変えたのだろう。
少しだけその先へ想像を伸ばしてみる。
そうすると、ひとつのレオタードだったものの奥に、19世紀の英国の庭や、苺をついばむ鳥たちや、それを眺めていた誰かの時間まで見えてくることがあります。
見えているものだけが、すべてではない。
Maison de 9uatreがアイテムを選ぶときも、写真の第一印象だけで終わらせたくないと思っています。
誰がつくったのか。
なぜ、この形なのか。
何を背景に持っているのか。
すべてを知ることはできなくても、その向こう側へ少しだけ想像を伸ばす。
その時間も含めて、ひとつのアイテムとの出会いなのだと思うから。
さて。
この小さな「苺泥棒」。
あなたには、どこまで見えましたか?
PRE RAPHAELITES – stringed back leotard - strawberry thief
Just A Corpse
Next card
II|小さなものを、見落とさない。

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