Maldireについて、少しだけ。

Maison de 9uatreには今も、
彼らの息づかいが静かに残っている。
アートプリントという手法を通して、
ひとつの世界観をレオタードの上に成立させた存在。
今でこそ、プリントという表現は多くのブランドに広がっているけれど、
彼らが登場した十数年前、それはまだ前例のないものだった。
さらに彼らは、バレエの持つ“キラキラとした美しさ”をあえて封印し、
その裏側にある、少し影のある感情や空気をすくい上げていく。
それはどこか、毒のような感覚だった。
けれど、その毒は不思議と美しく、
一度触れてしまうと、目を逸らすことができない。
初めてその存在を知ったときの衝撃は、今でも忘れない。
すぐにコンタクトを取り、
Maison de 9uatreは世界で初めての取扱店となった。
当時の市場にはなかった切り口だったにもかかわらず、
その反応は驚くほど早く、そして強かった。
ダンスの枠を越え、
ファッションの領域からも注目を集めたことも印象に残っている。
ここに残しているのは、その頃の記録。


いまはもう手に入らないものたち。
どれもカトルにとっては、“アート”として保管している大切な存在。
そして今、
Maison de 9uatreに残っているのは、ほんのわずか。

もう多くを語ることはできないけれど、
それでも、確かにここに在る。
もし、この「毒」のような感覚をひとかじりすることがあったなら、
その時点で、もうすでに彼らの虜なのかもしれない。
毒の魔法は、今も静かに残っている。

Maldireの世界観でもある“毒”に触れてみたいと思ったなら、
静かに、その扉を開いてみてほしい。
あとがき
『Maldire』
これは一体、どう日本語で読めばいいのか。
実は、とても悩んだ。
ブランドのイメージを左右しかねない、重要な決定だったから。
あえてカタカナ表記をつけない、という選択も考えたけれど、
雑誌掲載のお話をいただいたことをきっかけに、
読み方を添えることにした。
『マルディーレ』
このカタカナ表記は、カトルが名付け親。
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