雨上がりの6月初旬。
今日6月9日は、わたしの大切な初代ネコ氏のお誕生日。

これ以上可愛い子、いる?
なんとなく彼がいるような気がして、ふと窓の外を見ると、
昨日からの雨をそのまま受け継いだかのような曇り空。
でも意外にも空気はカラッとしていて、窓を開けっぱなしにしていると、
少し肌寒さも感じる。
この季節あるあるの「気温差」の予測が難しい日々。
今日は冬の間ずっと使っていたお気に入りのブランケットを
クリーニングに出そうと思っていました。
本当は、とても簡単で、
『どうってことない一日』
になるはずでした。


ネコたちのお気に入りでもあるブランケットはSilkeborg(シルケボー)のものを色違いで2枚所有。 ニンゲンとネコとの争奪戦が冬の定番。
【本日のお品書き】
近所のクリーニング店へトコトコと歩いて行き、
身軽になった帰り道でドラッグストアへ寄り、
重曹水クリーナーを買って帰る。
以上。
そんなつもりだったので、
キャップをかぶり、
Leeのヒッコリーオーバーオール。
「近所へ行くだけです。」
という格好で出発しました。
Tシャツでは肌寒く、スウェットをチョイス。正解でした。
──────────
クリーニング店ジプシー
ところが、最初に向かったクリーニング店は、まさかの閉店。
「あれ?」
そういえば、わたしは昔からクリーニング店に少し迷子気味だったことを思い出しました。
便利な宅配クリーニングを利用したこともあります。
布団などを家まで取りに来てくれるサービスには、本当に助けられました。
ただ、わたしにとっては少しだけ感覚が違うなと思うこともありました。
お気に入りの布団やブランケットのタグに、
管理タグが直接ホッチキスで留められていたことがあったのです。
もちろん紛失防止のため。
悪意があるわけではありません。
でも、戻ってきたブランケットを見るたびに、その小さな穴が気になってしまいました。
そのお店にとっては、大切なお預かり品の一つ。
そしてわたしにとっては、冬の間ずっと一緒に過ごしてきた大切なブランケット。
どちらが正しい、という話ではありません。
ただ、気になる温度が少し違ったのだと思います。

その後、「丁寧さ」を売りにしていた別のお店は撤退。
近所のチェーン店も閉店。
気づけば、
「一体どこにお願いしたらいいんだろう?」
そんな気持ちで「5月末で閉店しました」と張り紙のしてあるお店の前で、
Googleマップを開いていました。
──────────
行く順番が変わった日
Googleマップで見つけた次のお店は、今いる場所とは反対側のエリアでした。
そうなると、帰り道に寄る予定だったドラッグストアを通らなくなります。
それなら先に寄っておこう。
そう思ってドラッグストアへ向かいました。
ところが、今度は重曹水クリーナーがありません。
「え?」
ドラッグストアなのに??
仕方なくそこにあった重曹の粉を購入しました。
ここで正直に告白します。
わたしはこの時、
「重曹なんだから、何かに使えるでしょ。」
と思っただけでした。
水に溶かして使えることすら考えていませんでした。
ただ、「重曹に間違いない」という理由だけで買ったのです。
今思えば、かなり大雑把です。
ちなみに後から調べたところ、水に溶かしてスプレーとして使えることを知りました。
むしろ粉の方が用途が広いし、コスパもいい。
全人類が知っているであろう「当たり前」のこと。
知らなかったのは、わたしだけでしょうか(汗)。

重曹、最強じゃね?
──────────
重い荷物と、健全なお買い物
そして、行く順番が変わったことで、
わたしはブランケットを入れたバッグを提げたまま
ドラッグストアへ行くことになりました。
これがなかなかの重量と大きさです。
狭い店内では、少し申し訳ないくらい。
きっと迷惑なお客さんだったと思います。

この袋になんとか詰め込んでクリーニングに行ったので、パンパンに膨れ上がっていました…多分うちの子たち4匹入れそうなくらい大きな麻のバッグ。
もし先にクリーニングへ行き、
身軽になった状態でドラッグストアへ寄っていたら…
きっと違ったと思います。
わたしはドラッグストアが好きです。
「パトロール」と称してコスメコーナーを眺めたり、
予定になかったものまで買ってしまったり。
気づけば一時間くらい平気で過ごしてしまいます。
でもこの日は、そんな余裕はありませんでした。
ブランケット二枚と重曹の大袋を抱えた状態では、
寄り道を楽しむどころではありません。
結果的に、買ったのは重曹の粉だけ。
『半強制的ミニマリスト』の誕生です。
なんとも健全なお買い物になりました。

重曹を1kgも買ってしまった…
──────────
スタンド・バイ・ミーの午後
こうして、ブランケット二枚と重曹の大袋を麻のバッグに詰め込み、
Googleマップを片手に初めての道を歩くことになりました。
途中で、
「へぇ、こんな喫茶店があるんだ。」
「ここ、お好み焼き屋さん?」
「なんでここに行列?」
「お、急に寺?」
などと、完全に遠足気分。
なんだか『スタンド・バイ・ミー』の少年たちになった気分でした。
ちなみに、途中から何度も思ったことがあります。
「スニーカーで出てきた朝のわたし、偉い。」
もしサボだったら、途中で泣いていたかもしれません。

ご近所散歩はこのサボが定番。
QueenのFreddie MercuryとJohn Deaconが履いていたサボが欲しくて数年前に買ったもの。彼らと同じく白と黒を愛用中。
──────────
メダカ
そして辿り着いたのが、小さな個人経営のクリーニング店でした。
口コミは二件。
どちらも星五つ。
でも正直、少しだけ不安でした。
個人店か…。
大丈夫かな?
半信半疑で扉(もちろん手動の引き戸)を開けると、
思いの外大きな「ピンポーン」というチャイムで驚く。
マスオさんがお爺ちゃんになったような店主さんが笑顔で、
「あ〜もうちょっと遅かったら出かけるところだったよ」
という第一声。
「あ、は、よ、よかったです(汗)」
初めての場所、初めての人との会話。
ちょっと気まずい感じで目線を逸らすと、
そこにはメダカがいました。
低音が静かに「ブーン」と響く酸素のポンプ。
ポコポコポコ…という水の音。
なんだか安心したのです。
──────────
気になる温度
カウンターの横で泳ぐメダカ。
実家の玄関のようなドア。
初めてのお客様用のメモ紙は、小さく切られたチラシの裏。
洗濯バサミで留められています。
店主さんの笑顔はとても優しくて、なんだか懐かしい気持ちになりました。
帰り際、
「うちの番号登録しておいてね。何かあったら連絡するかもしれないから。」
そう言われて、思わず笑顔になってしまいました。
電話番号。
SMSではなく。
アプリでもなく。
電話番号。
普段のわたしは電話対応が苦手、、というか嫌いです。
でもこの時は嫌な気持ちはせず、なんだかほっこりしたのです。
そういえば以前、洋服のお直し屋さんでも似たようなことがありました。
チェーン展開されているところも利用したことがありますが、
なんとなくこちらとの温度差を感じたことがありました。
そこで検索の鬼はまたググります…
そして、近所の個人店のお直し屋さんに行きつきます。
スナップボタン一つの交換なのに、こちらが驚くほど丁寧に希望を聞いてくださったことを今でも覚えています。
思い返してみると、共通していたのは「あたたかさという温度」でした。
そしてもう一つ。
みなさん、とても楽しそうだったのです。
仕事なのに。
大変なこともあるはずなのに。
その空気は不思議と伝わってきます。
──────────
どちらも正義
もちろん、便利さも好きです。
効率も好きです。
ミニマリストにも憧れます。
でも、可愛い缶や瓶は捨てられません。
大型店も利用します。
個人店も利用します。
どちらか一つを選ばなくてもいい。
その時々で、自分に合うものを選べばいい。
正解は一つではないのかもしれません。
人も、お店も、暮らしも。
結局は「温度」なのかもしれない。
同じものを好きかどうかではなく、何を大切にするのか。
その温度が近いと、不思議と安心します。
──────────
Maison de 9uatreのこと
Maison de 9uatreもまた、そんな場所でありたいと思っています。
最新の仕組みを使いながら、人の温度を忘れないこと。
たくさんの人に向けてではなく、
大切に思ってくださる方と静かにつながっていくこと。
カトルにしかない温度。
長く続けていると、道にも迷います。
それは試行錯誤をしている、ということだとも思います。
バレエのレッスンにも当てはまると思います。
「あ〜ぁ、がっかり」
から始まったことが、嬉しい出会いへと続く。
「あ〜ぁ、がっかり」
がなかったら、得ることのなかったご縁。
重曹の粉も。
半強制的ミニマリストも。
メダカも。
そして、
「あ〜ぁ、がっかり」
は案外、幸せの伏線なのかもしれません。
思いがけない「遠足」から帰って、
早速重曹をボトルに入れ、
あたたかな気持ちのままこうしてブログをしたためてみました。
それゆえ脱線気味なのはご容赦のほど。
そう言えば、かつて父もメダカを飼っていたな、なんて思い出しながら…
──────────
あとがき
本当は、
『重曹のライフハック 〜そんなのみんな知ってる編〜』
みたいなブログをサクッと書くつもりでした。
なんせ以前、
をブログにしたくらいのわたしですから。
ところが今日は、予想に反した着地をしてしまいました。
チョコレートと同じ。
食べてみるまで中身はわかりません。
ブログも、書き始めてみるまでわかりません。
(多分)
Girl Power のスウェットを広げていたら、
最後までそこを動かなかったのは我が家の紅一点。
まるで、
「これ、わたしの。」
と言っているような顔で。


「撮影は終わった?じゃあ、これはわたしが持って帰るから。」
文:quatre-quarts ballet studio 講師の「わたし」
ハイエンドなバレエ&ファッションウェア、グッズのセレクトをお届けしています。
メゾン・ドゥ・カトルオンラインブティックは下記のリンクから🍒
For international customers, please see here for ordering information.




