9月9日に生まれた、Maison de 9uatreの「9つのカトルール」。
カードを一枚ずつ引くように、その奥にある物語を辿るシリーズ。
二枚目のカードは、
II|小さなものを、見落とさない。

今回このカードのために選んだのは、Brinas Studioの「Lush scrunchie」。
一見すると、ふんわりとした小さな布の輪。
けれど、少し近づいてみると、そこには思いがけない景色が広がっています。
同じレシピでも、同じ色にはならない。
スロベニアの染色家Romana Brinasさんが手掛ける、Brinas Studio。
自然の草木や花、果実などから色を取り出し、天然色素でひとつひとつ染め上げていく作品です。
時には布を凍らせ、自然に溶けていく時間に色を委ねることも。
気温や天候、植物の状態。
人の手だけでは決められない、さまざまな偶然が重なり合います。
Lush scrunchieには、「Garden of Eden」「Lava Blush」「Mystic Moss」という、それぞれの染色レシピがあります。
けれど、同じ名前のレシピであっても、色の揺らぎや染まり方はひとつずつ違います。
ほんの少しの濃淡。
葉の形を思わせる小さな模様。
思いがけない場所に現れた、別の色。
それは不揃いなのではなく、そのひとつだけが持っている表情です。

小さなものに宿る、大きな世界。
Romanaさんとのご縁は、Maison de 9uatreで取り扱っているJust A Corpseとのコラボレーションから始まりました。
その後、彼女自身からお声がけいただき、Brinas Studioとしての作品もご紹介するようになりました。
実際に言葉を交わすRomanaさんは、とても柔らかなお人柄。
その穏やかさと、ものづくりに向き合う真摯な姿勢が、彼女の作品にもどこか重なって見えます。
直径およそ18cmの、小さなシュシュ。
けれど、その布に残された色を辿っていくと、遠いスロベニアの森や、草木を集めるRomanaさんの時間まで想像できるような気がします。

まるで、生きているみたい。
実際に届いたシュシュを手にしたとき、不思議な感覚がありました。
作品の温かさ、とでもいうのでしょうか。
いえ、それだけではなく、どこか「生きている」と言いたくなるような存在感。
もちろん、シュシュが喋るわけではありません。
けれど、「ねえねえ」と小さく語りかけてくるような気がしたのです。
これをRomanaさんが、一つずつ、指先まで色に染めながら手仕事で生み出してくれたのだと思うと、思わず身震いしてしまいました。

優しくて、頼もしい。
そして、実際に使ってみて、もうひとつ驚いたことがあります。
このシュシュ、とても仕事ができるのです。
髪をひとつに結び、毛束をくるりと丸めてシュシュでまとめる。
それだけで、あっという間にシニヨンのできあがり。
下の画像ではピンを一本も使わず、驚くほどしっかりと留まってくれました。
ちょこんとつけたCARROT CAKE HAIR CLIPは、あくまでも飾りとして添えただけ。
柔らかなシフォン生地の、優雅でエレガントなシュシュも大好きです。
けれど、バレエの現場でしっかり仕事をしてくれるのは、Romanaさんのこのシュシュ。
自然が描いた繊細な色模様と、思いがけないほどの頼もしさ。
小さな布の輪の中に、こんなにもたくさんの魅力が隠れていました。
II|小さなものを、見落とさない。
あなたの目には、どんな小さな違いが映りましたか?

着用リスト:
CREORA® SLEEVED-LEOTARD | SUNRISE
Brinas Studio|Lush scrunchie



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III|「あれ?」を、そのままにしない。

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