白い山々。
刺繍。編み上げ。花模様。
そして、どこか素朴で、
どこか神話のような気配。
Just A Corpseの「ALPINIA」コレクションは、
彼らのホームでもあるスロベニア、
そしてそのアルプス地方に古くから伝わる
カルニオラ地方の民族衣装や民俗意匠から
インスピレーションを受けて生まれたコレクションです。
民族衣装というと、
どこか“伝統工芸”として切り離された
遠いもののように感じるかもしれません。

1897年、スロベニア中央部カルニオラ、
スロベニアの写真家 Benedikt Lergetporer (1845–1910) によって撮影された伝統的な衣装を身につけた少女の写真。
けれどJACは、
それらを単なる引用やノスタルジーとして扱いません。
むしろ彼らは、
そこに宿る「生活の美しさ」を、
現代の身体へもう一度戻そうとしているように見えます。
今回のALPINIAでは、
スロベニアのアルプス地方に見られる
クロスステッチや民族刺繍、編み込み、
花の装飾などを思わせる
オリジナルプリントが数多く登場しています。
まるで直接手刺繍を施したような
プリントレオタード。
パフスリーブ。
オフショルダー。
襟やカフス。
そして、
民族衣装のアクセサリーを思わせる
タッセル付きのペンダント。
それらは“バレエウェア”というカテゴリだけでは
到底収まりきらない、
ファッションとしての完成度を持っています。
特に印象的なのは、
可愛らしさと強さが
同時に存在していること。
牧歌的で、
ペザントのムードに満ちている。
けれど決してコスチューム的にはならず、
むしろ現代的で、
どこか少し異質で、
JACならではの静かな前衛性が漂っています。
JACの新定番へと格上げされたバッグ。
Maison de 9uatreでは、
以前からJust A Corpseを
「バレエウェアブランド」とだけでは捉えていません。
身体を動かすための衣服でありながら、
同時に“文化”や“土地”や“空気”までも
纏わせようとするブランド。
それがJACの特別さだと思っています。
ALPINIAもまた、
まさにそんなコレクションでした。
レオタードだけではなく、
バッグやアクセサリーに至るまで
世界観が貫かれており、
コレクション全体が、
まるで一冊の民族幻想文学のように
構成されています。
スロベニアの山岳地帯に吹く冷たい風。
草花。
古い刺繍。
祝祭。
少女たち。
そしてそこに、
現代のダンサーの身体が重なっていく。
Just A Corpseだからこそ成立する、
“民族”と“モード”の美しい交差点。
ぜひコレクション全体から、
その空気を感じてみてください。
これまでたくさんこちらのブログでも
この世界観に触れてきました。
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